注文方法の種類
株式を売買する際の注文方法には、大きく分けて「成行注文」と「指値注文」の2種類があります。
成行注文
成行注文とは、価格を指定せずに「いくらでもよいから売買したい」と注文する方法です。市場にあるその時点の価格で即座に取引が成立しやすく、確実性を優先したい場合に使われます。ただし、株価が急に大きく動いている場面では、想定より不利な価格で約定することもあります。
指値注文
指値注文とは、「この価格で買いたい(売りたい)」というように、価格を指定して注文する方法です。希望する価格での売買を目指せますが、株価がその水準に届かなければ、約定しません。
約定の仕組み
複数の注文が同時に出された場合、証券取引所では一定のルールに基づいて優先順位を決め、約定させています。
- 価格優先の原則:買い注文は価格の高い注文から、売り注文は価格の低い注文から優先的に約定する
- 時間優先の原則:同じ価格の注文が複数ある場合、先に出された注文から優先的に約定する
また、成行注文は、価格を問わず取引を成立させる注文であるため、指値注文よりも優先して扱われます。
注文の有効期間
注文を出す際は、その注文をいつまで有効にするかも指定します。主な種類は以下の通りです。
| 執行条件 | 内容 |
|---|---|
| 当日中 | その日の取引時間内のみ有効。約定しなければ、その日のうちに失効する |
| 今週中 | その週の最終営業日まで有効 |
| 期間指定 | 指定した日付まで有効(証券会社によって指定できる期間の上限が異なる) |
単元株制度と単元未満株取引
日本の株式市場では、売買の最低単位として「単元株制度」が採用されています。現在、単元株数は原則100株に統一されており、通常の株式取引では100株単位(およびその倍数)でしか売買できません。
一方、証券会社によっては、100株に満たない単位(1株から)で取引できる「単元未満株取引」というサービスも提供されています。少ない資金で株式投資を始めたい場合や、値がさ株を少しずつ買い増したい場合に利用されています。
ただし、単元未満株には、リアルタイムでの売買ができない、単元株数に達するまで議決権が原則ないなど、通常の単元株取引とは異なる制約がある場合があります。取引の仕組みは証券会社ごとに異なるため、利用前に確認が必要です。
受渡日と権利付き最終日、権利落ち日
株式を売買した日(約定日)と、実際に代金・株式の決済が行われる日(受渡日)は異なります。国内上場株式の受渡日は、約定日から起算して3営業日目(約定日の2営業日後)です。土日・祝日は営業日に数えません。
この受渡のタイミングは、配当金や株主優待を受け取れるかどうかにも関わってきます。企業が定める「権利確定日」に株主として記録されている必要がありますが、受渡には2営業日かかるため、権利確定日の2営業日前までに買付を終えている必要があります。この、権利を得るために株式を買っておくべき最終売買日を「権利付き最終日」と呼びます。
権利付き最終日の翌営業日を「権利落ち日」と呼びます。この日に買っても、その回の配当・優待の権利は得られません。逆に、権利付き最終日にいったん株式を保有していれば、権利落ち日に売却しても権利自体は失われません。なお、権利落ち日は、配当や優待分を織り込んで株価が理論上下落しやすいことに注意が必要です。
まとめ
株式の注文には、成行・指値といった価格の指定方法や、当日中・期間指定といった有効期間の設定があり、複数の注文は価格優先・時間優先のルールに基づいて約定します。
また、通常は100株単位の取引ですが、単元未満株を使えば少額からの投資もできます。配当や株主優待を確実に受け取るためには、権利付き最終日までに買付を済ませておく必要がある点も、あわせて押さえておきたいポイントです。