信用取引とは – 現物取引との違いと仕組み、リスクを解説

現物取引とは

現物取引とは、自分が持っている資金の範囲内で株式を売買する取引です。株式を購入する際は購入代金の全額を、売却する際は自分が保有する株式を用いて取引します。損失は投資した金額の範囲内にとどまります。

信用取引とは

信用取引とは、一定の担保(委託保証金)を証券会社に預け、証券会社から資金や株式を借りて売買する取引です。自己資金だけでなく、借りた資金・株式を使うため、手元資金以上の金額の取引ができます。

買いから入る取引だけでなく、証券会社から株式を借りて売却し、株価が下がったところで買い戻して返却する「空売り」もできます。株価が下落する局面でも利益を狙える点が、現物取引にはない特徴です。

現物取引と信用取引の違い

項目 現物取引 信用取引
取引に使う資金 自己資金のみ 自己資金+証券会社からの融資
取引できる金額 保有資金の範囲内 委託保証金の約3.3倍程度まで
空売り できない できる
金利・貸株料 かからない かかる
損失の範囲 投資額の範囲内 投資額を超えて損失が出ることがある
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信用取引の仕組み

委託保証金とレバレッジ

信用取引を行うには、証券会社に「委託保証金」を差し入れる必要があります。委託保証金率は法令で約定代金の30%以上と定められており、多くの証券会社では最低30万円以上、かつ取引金額の30%前後の保証金を求めています。

この仕組みにより、委託保証金の約3.3倍程度の金額まで取引できる計算になります。例えば、100万円の委託保証金であれば、理論上は約330万円分の株式を売買できることになります。この、自己資金に対して大きな金額を動かせる仕組みを「レバレッジ(てこ)」と呼びます。

金利・貸株料

信用取引では、借りた資金や株式に対して金利・貸株料がかかります。ポジションを保有している期間が長くなるほど、これらのコストも増えていきます。

建玉とは

信用取引で新規に売買を行うと、その時点で未決済のポジションが発生します。これを「建玉(たてぎょく)」と呼びます。買いから入ったポジションは「買建玉」、空売りから入ったポジションは「売建玉」といいます。

建玉の決済方法

建玉は、反対売買によって決済するのが基本です。買建玉であれば株式を売却し、売建玉であれば株式を買い戻すことで、その時点の価格差が損益として確定します。

買建玉の場合は、反対売買のほかに「現引き」という方法もあります。これは、借りていた資金を返済し、建玉となっている株式をそのまま買い取って自分のものにする方法です。売建玉の場合は「現渡し」という方法があり、これは自分が保有する現物株式を証券会社に渡すことで、借りていた株式を返済し、決済を完了させる方法です。

制度信用取引と一般信用取引

信用取引には、証券取引所のルールに基づく「制度信用取引」と、証券会社が独自に条件を設定する「一般信用取引」の2種類があります。

制度信用取引は、返済期限が最長6か月と決まっており、対象銘柄や貸株料も取引所のルールに基づいて一律に定められています。一方、一般信用取引は返済期限が証券会社ごとに異なり、無期限としているところもあります。対象銘柄の範囲や貸株料などの条件も、証券会社によって差があります。

追証(おいしょう)の仕組みとリスク

保有している建玉に評価損が出ると、委託保証金の維持率(委託保証金の額を建玉金額で割った割合)が下がります。この維持率が証券会社ごとの基準(20〜30%程度)を下回ると、「追加保証金」いわゆる追証の差し入れが必要になります。

追証が発生すると、期限内(多くの場合、発生から翌々営業日の正午まで)に不足分の入金や有価証券の差し入れを行うか、建玉を決済して損失を確定させる必要があります。対応できない場合、証券会社によって建玉が強制的に決済されます。

一度発生した追証は、その後株価が回復して維持率が戻ったとしても、なかったことにはなりません。

現物取引にはないリスク

  • 投資額を超えて損失が発生する可能性がある(自己資金以上の金額を取引しているため)
  • 追証が発生すると、期限内に追加資金の用意が必要になる
  • 期限内に対応できないと、証券会社によって強制的に決済される
  • 金利・貸株料など、保有期間に応じたコストがかかり続ける
  • 制度信用取引には返済期限があり、期限までに反対売買や現引・現渡が必要になる

まとめ

信用取引は、委託保証金を元手に自己資金以上の金額を取引できる仕組みで、その分利益も損失も現物取引より大きくなります。空売りなど現物取引にはない取引方法も可能になる一方、投資額を超える損失や追証、強制決済など、現物取引にはないリスクも伴います。仕組みとリスクを十分に理解したうえで、慎重に検討することが大切です。

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