IPOとは
IPO(新規公開株式)とは、それまで証券取引所に上場していなかった企業が、新たに上場することを指します。また、その際に発行・売り出される株式そのものを指す言葉としても使われます。IPOを英語表記の「Initial Public Offering」の略で、「新規公開株」「新規上場株」などと呼ばれることもあります。
企業が上場すると、それまで創業者や役員、ベンチャーキャピタルなど限られた株主しか保有できなかった株式を、誰でも証券取引所を通じて売買できるようになります。
なお、東京証券取引所等に上場する国内企業だけでなく、米国など海外の証券取引所に上場する外国企業についても、IPOは存在します。
公開価格と初値
IPOに関連して押さえておきたいのが、「公開価格」と「初値」という2つの価格です。
公開価格とは、上場前に決定される、投資家がIPO株を購入する際の価格のことです。一方、初値とは、上場後、証券取引所で最初につく取引価格のことを指します。
なお、IPOには、企業が新たに株式を発行して投資家に取得してもらう「公募」と、既存株主が保有する株式を投資家に売却する「売出し」という2つの形態があります。このため、公開価格は「公募価格」と呼ばれることもあり、実務上はほぼ同じ意味で使われています。
初値は公開価格を上回ることが多いといわれますが、これはあくまで傾向であり、必ずそうなるとは限りません。企業の業績や市場環境によっては、特に近年では初値が公開価格を下回るケースも多くあります。
IPOへの参加方法
IPO株を購入するには、証券会社を通じて抽選に申し込むのが一般的な流れです。
まず、上場を予定する企業が投資家に対して「この価格帯でどの程度の需要があるか」を確認する「ブックビルディング(需要申告)」という手続きが行われ、これをもとに公開価格が決定されます。その後、投資家は証券会社を通じてIPO株の購入を申し込み、抽選が行われます。
IPO株の販売は、その企業と契約した「幹事証券会社」を通じて行われます。中心的な役割を担う証券会社を「主幹事証券会社」と呼び、主幹事は他の幹事証券会社に比べて、割り当てられる株式数が多くなる傾向があります。IPOによって幹事となる証券会社は異なるため、参加したいIPOがある場合は、どの証券会社が幹事を務めているかを事前に確認しておく必要があります。
抽選方式は証券会社によって異なり、申込者に平等に当選機会を与える「完全平等抽選」を採用する会社もあれば、預かり資産の状況等に応じて配分に差をつける会社もあります。
なお、外国企業のIPOに参加できる証券会社は、国内IPOに比べて限られているのが現状です。
IPO投資のリスク
IPO投資には、以下のようなリスクがあります。
共通するリスク
- 値下がりリスク:初値が公開価格を下回る可能性があり、その場合、上場後すぐに売却すると損失が生じることになります。
- 値動きの不透明感:上場したばかりの企業は、業績の実績や市場からの評価が定まっておらず、その後の値動きが読みにくい面があります。
- 資金拘束:抽選に申し込む際、購入代金相当額を証券会社に預け入れる必要がある場合が多く、当選発表まで資金が拘束されます。
- ロックアップによる株価変動:上場前からの大株主(創業者や役員、ベンチャーキャピタル等)には、上場後一定期間、保有株式の売却を制限する「ロックアップ」が設定されることがあります。ロックアップ期間(一般的に90日間や180日間とされるケースが多い)が満了すると、大株主による売却が増え、需給バランスの変化により株価が下落するケースもあります。
外国企業のIPOに特有のリスク
- 為替変動リスク:購入代金の払い込みや売却代金の受け取りが外貨建てとなることが多く、為替変動の影響を受けます。
- 情報確認のしにくさ:目論見書等の開示資料が英語で作成されている場合が多く、国内企業のIPOに比べて情報を確認しにくい面があります。
IPO投資のメリットとデメリット
IPO投資は、公開価格が比較的割安に設定される傾向があり、当選して初値で売却できれば利益が得られる可能性がありますが、必ずしも利益が出るとは限らないことには注意する必要があります。また、人気の高いIPOほど当選確率が低いこと、抽選期間中は資金が拘束されることにも注意が必要です。