中学生が取得したベビーカーの特許

20160926

はじめに

先日、中学生の発明が特許になったことが報道されていました。第74回全日本学生児童発明くふう展で内閣総理大臣賞を受賞した素晴らしい発明だと思います。

そこで、今回はこの発明に関する特許出願を見ていきたいと思います。

発明の内容

発明の名称は「坂道でも安全なブレーキの制御方法」です。

請求項は1つのみで、ブレーキの制御方法が記載されています。

書誌事項(発明者等に関する情報)を見ると、発明者は報道されている通りの中学生です。中学生は未成年なので、出願等の手続きは法定代理人が行う必要があり(特許法第7条)、中学生のご両親と思われる方のお名前が法定代理人として記載されています。

この出願は、弁理士を代理人として使っていません。そのため、法定代理人の方、あるいは中学生が特許出願に関する明細書等を作成したものと推測されます。

発明のカテゴリー

特許法上、特許が取得できる発明は、物の発明、方法の発明の2つのカテゴリーに大きく分けられます(特許法第2条)。

この発明は制御方法の発明として権利化されています。ただ、この発明に係る物は、ベビーカー等の手押し車です。すなわち、物の発明として権利化することもできたわけです。

弁理士を利用しないデメリット

この出願は弁理士を利用していないわけですが、それにより取得した権利によって将来的には多少の問題が生じるかもしれません。

つまり、この発明は中学生が特許を取得したというだけで終わるのであれば何ら問題ありません。しかし、発明者は商品化してみたいとも話しています。

実際のビジネスにおいて、例えば損害賠償など権利行使の段階で、制御方法の発明なのか、手押し車の発明なのかで損害賠償額が大きく変わることがあります。

また、この発明は「タッチセンサー、又は圧力センサー」を利用することが記載されています。つまり、他のセンサーを利用した手押し車はこの発明の権利範囲に含まれない可能性があります、この点も弁理士に依頼していれば、他のセンサーも含めるように(権利範囲が広くなるように)特許請求の範囲を記載してもらえた可能性があると思われます。

出願に当たり、予算の都合等により弁理士費用を惜しむことがあるかもしれませんが、やはり餅は餅屋です。せっかく考え出した発明です。弁理士に依頼してよりよい権利の特許を取得することをお勧めします。

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