悪意のある商標登録出願に関する対応

20160519

はじめに

先日、特許庁から「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」と題したお知らせがありました。こちらをご覧ください。

特許庁からのお知らせの内容を要約すると・・・
「最近、他人の商標を先取りするような商標登録出願が大量に行われているが、自らの商標について他人が商標登録出願していることが分かっても、商標登録を断念することはしないように」ということです。

悪意のある商標登録出願とは

特許庁のお知らせにあるように「他人が使用している商標の先取りとなる出願」というものが悪意のある商標登録出願と言えます。

この悪意にある商標登録出願について具体的に説明すると、例えば、ABC社が自社の社名をブランド名として使用している場合に、“ABC”という商標の商標登録を行っていなかったとします。

仮にXYZ社が“ABC”という商標登録出願を行い、商標登録が認められると、XYZ社が“ABC”というブランドを使えることになります。一方で、ABC社は“ABC”というブランド名が使用できなくなってしまいます。

これにより、ABC社の企業努力によって築き上げた“ABC”というブランドの信用力をXYZ社が横取りしてしまうことになってしまいます。

つまり、XYZ社による“ABC”という商標の商標登録出願が悪意のある商標登録出願と言えます。

悪意のある商標登録出願が認められると・・・

自身(ABC社)の商標が他人(XYZ社)によって商標登録されてしまうと、ABC社は“ABC”というブランド名が使用できないばかりか、XYZ社から商標権侵害であるとして訴えられてしまうことも考えられます。

ABC社にとっては非常に理不尽ですよね。

法律での規定は?

ABC社のような理不尽な事態を避けるために、法律(商標法)においては、自身が使用している商標について商標登録を受けることができる旨が規定されています。

つまり、XYZ社は、“ABC”というブランド名を使った商品展開をしていないのであれば、XYZ社が“ABC”という商標について登録を受けることはできないということになります。

また、ABC社の“ABC”というブランド名が有名であれば、XYZ社は“ABC”という商標の商標登録は受けることができない旨も規定されています。

一方で、特許庁での審査を経ても、XYZ社の商標登録が認められてしまう場合もあり得ます。しかし、そのような場合であっても、他人の商標登録の先取りのような事情がある場合には、事後的な手続きでXYZ社の商標登録をなかったものとすることもできます。

対応策

自社の商標が他人によって商標登録出願された場合であっても、他人の商標登録出願が登録されるかどうかは分かりません。また、悪意のある他人の商標登録は事後的な手続きで無効にすることも可能です。

そのため、自身が使用する商標については、商標登録をあきらめないでくださいというのが、今回の特許庁のお知らせの内容です。

なお、自身が使用する商標については、使用する商標が決まり次第、商標登録出願を行うことが第一の防衛策です。

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。